オーバーヘッドシャワーは、壁に取り付ける一般的な「ハンドシャワー」と異なり、天井または壁の高い位置に設置する固定式シャワーです。

上からお湯が降り注ぐことで、全身を包み込むように温めることができ、一度に体全体を流せるのが大きな特徴です。

主なタイプは次の2つに分けられます。

・天井埋め込みタイプ

天井にヘッドを埋め込み、デザイン性・高級感に優れるタイプ。

配管計画が必要なため、新築やリノベーション時におすすめ。

・壁付けアームタイプ

既存の壁に取り付けるタイプで、比較的手軽に設置できる。

デザインも豊富で、後付けリフォームにも対応しやすいのが特徴。

オーバーヘッドシャワーには、見た目のデザイン性だけでなく、毎日の入浴時間をより豊かにしてくれる魅力があります。

ここでは、実際に導入することで感じられるメリットを紹介します。

・全身を包み込むような心地よさ

上から降り注ぐお湯が肩や背中まで一度に当たり、“包まれるような温もり”を感じられます。

湯船に浸からなくてもリラックス効果が得られ、朝のシャワー派の方にも人気です。

・デザイン性が高く、浴室の印象が変わる

天井や壁から伸びるスリムなヘッドデザインが美しく、バスルーム全体が洗練された印象になります。

シンプルモダンやホテルライクなインテリアにも相性抜群です。

・浴室全体を温めやすく、冬も快適

上からの散水で湯気が空間全体に広がるため、浴室が早くあたたまるのも特徴です。

冬場でもひんやり感を感じにくく、入浴時のヒートショック予防や快適性の向上にもつながります。

オーバーヘッドシャワーは見た目も使い心地も魅力的ですが、実際に導入する際にはいくつかの注意点があります。

設置前にしっかり理解しておくことで、快適に使い続けられる浴室になります。

・水圧不足に注意！十分な勢いが出ないことも

天井の高い位置からお湯を降らせるため、給湯器の水圧が不足しているとシャワーの勢いが弱く感じることがあります。

特に2階の浴室やタンク式給湯器を使う場合は、設計段階で十分な水圧が得られるかを確認しておきましょう。

・掃除や子どもの対応がしにくいことも

天井に固定されたシャワーのため、手元に持って使うことができません。

そのため、浴槽や壁の掃除、また、子どもの体を流すといった作業には不向きです。

実際の生活では、オーバーヘッド＋ハンドシャワーの併用が最も実用的と言えるでしょう。

デザインだけでなく、掃除や日常動作のしやすさも考慮することが大切です。

・後付けには工事が必要なケースも

特に天井埋め込み型の場合は、配管や天井内のスペース確保が必須となります。

既存住宅での後付けも可能ではありますが、新築時や大規模リフォーム時に計画しておくのが理想です。

・高所設置のため、手入れやメンテナンスが大変な場合も

天井高い位置に設置するため、シャワーヘッドのホコリや水垢の掃除がしづらいという面も。

防汚加工のヘッドを選ぶ、定期的に柔らかい布で拭き取るなど、お手入れを想定した設計と素材選びが快適性を左右します。

オーバーヘッドシャワーは配管や水圧の他にも、天井の高さが必要な設備です。

そのため、設計の初期段階から導入を検討することをおすすめします。

例えば、

・天井の高さを2.3m以上確保する

・給湯器の容量を24号以上にする

・メンテナンス用に点検口を設ける

といった計画を同時に進めることで、デザインと機能を両立した快適な浴室を実現できます。

オーバーヘッドシャワーは、浴室のデザイン性を高めるだけでなく、リラックス効果と快適性を両立できるアイテムです。

ただし、天井高や給湯設備などを考慮した設計計画が欠かせないことを覚えておきましょう。

オーバーヘッドシャワーに限らず、家族がリラックスできるような快適なお風呂を作りたいと思われたらぜひ、私たち注文住宅のプロにご相談くださいね。

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