家づくりコラム
建築協定と景観協定の違いを解説!家づくり前に知っておくべき制約とは?
分譲地で注文住宅を建てる際、「建築協定」や「景観協定」が設けられている土地は少なくありません。
こういった土地は、外観の色や屋根形状が自由に選べないことや、増改築の際に申請が必要になるケースもあるため、これが何を意味するのかを理解しておくことはとても重要です。
この2つはどちらも“街並みを整えるためのルール”ですが、制定する目的や拘束力(強制力)には明確な違いがあります。
今回は、建築協定と景観協定の違いをわかりやすく整理し、それぞれが家づくりにどのような影響を与えるのかを解説します。
01ー建築協定とは?住民同士で守る「街の約束」
建築協定とは、一定の地域内で住民同士が建築に関するルールを決め、自治的に守る取り決めのことです。
法的な根拠は「建築基準法第69条」にあり、地方自治体の認可を受けて発効します。
建築協定の目的
建築協定の主な目的は、「良好な住環境を維持し、調和のとれた街並みをつくること」。
例えば、勝手に3階建てを建てて日当たりが悪くなったり、派手な外壁で景観が損なわれたりしないよう、お互いの暮らしを守るためのルールを設けています。
主な制約内容
建築協定の内容はエリアによって異なりますが、代表的なものとして以下が挙げられます。
・建物の高さや階数の上限
・敷地境界から建物までの距離(建ぺい率・容積率とは別)
・屋根や外壁の色・形の指定
・フェンスや塀の素材・高さの制限
・駐車場や庭木の配置 など
また、建築協定の特徴は「住民が自主的に管理・運用する」点です。
一度定められると、協定期間中(通常10〜30年)は勝手に変更・解除できません。
もしルールに反する建物を建てた場合、他の住民が是正を求めることが可能です。
02ー景観協定とは?行政が関与する「景観を守るルール」
一方、景観協定は自治体が景観法に基づいて定める制度です。
都市や地域の「景観地区」や「景観形成重点区域」に指定されたエリアで適用されます。
景観協定の目的
景観協定の目的は、地域全体の景観・風景を美しく保つこと。
観光地や歴史的な街並みを守るために導入されることが多く、建築物だけでなく広告・看板・外構・植栽なども含めた広い範囲が対象です。
主な制約内容
・建物の高さ・屋根形状・外壁の色彩
・使用する建材や意匠(デザイン)の指定
・庭や塀、植栽など外構計画の基準
・看板や照明などの屋外広告物の規制
建築協定が「住民同士の合意」であるのに対し、景観協定は行政(市町村など)と住民が共同で定める制度です。
そのため、法的拘束力があり、許可なく変更したり違反したりすると行政指導を受ける場合もあります。
03ー家づくりの前に確認すべきこと
分譲地や住宅地で土地を購入する場合、そのエリアにどの協定が適用されているかを事前に確認することが大切です。
特に注文住宅の場合、次のようなケースもあるため、設計の自由度やコストに影響する可能性があります。
・外壁の色を自由に選べない
・屋根形状が指定されている
・増改築の際に許可申請が必要
購入前には、重要事項説明書や契約書を確認し、疑問点があれば工務店や不動産会社に具体的な制約内容を質問しておきましょう。
04ーまとめ
景観協定や建築協定は、一見すると自由を制限するように感じますが、実際には「安心して住み続けられる街を守るための仕組み」です。
外観や高さの制限があることで、街の統一感や資産価値が保たれやすくなるというメリットもあります。
大切なのは、そのルールが自分たちの理想の暮らし方に合っているかどうかを見極めること。
家づくりの際は、土地の条件や地域ルールをふまえたうえで、デザイン性と快適性を両立することが重要です。
家づくりに関して不安や疑問がありましたら、ぜひ注文住宅のプロにご相談くださいね。
ミタス・カンパニーでは、お客さまの家づくりに関するお悩みのご相談など小さな事でも、ご質問受付・対応を随時しておりますので、いつでもお気軽にご連絡ください!
