家づくりコラム
ハザードマップだけじゃない!家づくりで確認すべき「土地の履歴」とは
家づくりを考え始めたとき、多くの方がまず土地探しから始めます。
理想の家を建てるためには、どんな土地を選ぶかが非常に大切になります。
土地を選ぶ際には、災害リスクを知るためにハザードマップを確認する方も多いでしょう。
もちろんそれは土地選びにおいて欠かせない重要なステップです。
しかし、実はハザードマップだけでは分からない、その土地が持つ「履歴」という情報も、安心して長く暮らすためにはぜひ確認しておきたいポイントなのです。
土地の履歴を知ることで、地盤の強さや、そこに住む家族の健康に関わる潜在的なリスクを把握することができます。
今回は、ハザードマップと合わせて確認しておきたい、土地の履歴について、具体的な調べ方や見るべきポイントを分かりやすくご紹介していきます。
01ー土地の履歴って具体的にどんなこと?

土地の履歴と聞いても、具体的に何を調べればよいのかピンとこないかもしれません。
簡単に言うと、その土地が現在のような形になるまでに、どんな歴史をたどってきたかを知ることです。
例えば、昔は田んぼや沼地だった土地、または工場や資材置き場として使われていた土地、埋め立てによってできた土地など、土地には様々な歴史があります。
こうした過去の状況は、現在の土地の性質、特に地盤の強さに大きく関わってきます。
以前が軟弱な地盤だった場合、特別な対策をせずに家を建てると、建物が傾いてしまう「不同沈下(ふどうちんか)」という問題が起こるリスクが高まります。
また、工場跡地などでは、過去の使用履歴から土壌汚染の可能性も懸念されます。
その土地に住むご家族、特に小さなお子さまの健康に関わる可能性もゼロではありません。
02ーなぜ土地の履歴確認が必要なの?
地盤の強さが家の寿命に影響する
家は重たいので、それを支える地盤がしっかりしていなければ、建物にゆがみが生じたりひび割れが入ったりする可能性があります。
これが進行すると、最悪の場合、住み続けられなくなることがあるかもしれません。
特に不同沈下は、建物の価値を大きく下げてしまうだけでなく、修繕にも多額の費用がかかります。
土壌汚染が健康に影響することも
有害物質が土壌に染み込んでいる場合、それが地下水を通じて影響を及ぼしたり、土埃として吸い込んでしまったりする可能性があります。
すべての工場跡地が汚染されているわけではありませんが、過去の利用状況によっては念のため確認しておきたい重要なリスクと言えます。
将来の売却にも関わる可能性がある
もし将来その家を売却することになった場合、土地の履歴や地盤に関する情報は買い手にとって重要な判断材料となります。
特に土壌汚染などが判明した場合は告知義務が発生したり、売却価格に影響したりする可能性もあります。
03ー土地の履歴はどうやって調べるの?
土地の履歴を調べる方法はいくつかあります。
ご自身でできることから、専門家にお願いすることまで様々です。
役所で調べる
まず、その土地がある地域の役所で、過去の地図や資料を閲覧することができます。
登記簿謄本で過去の所有者や地目を、公図で土地の形状を、旧版地図や都市計画図で過去の土地利用状況を確認できます。
インターネットを活用する
インターネット上には、昔の航空写真を見られるサイトや、特定の地名の由来を調べられるサイトなどがあります。
地名に「沼」「池」「田」「窪」「谷」「砂」などの字が付いている場合、過去に水辺や低い土地だった可能性を示唆していることもあります。
専門家やプロに相談する
ご自身で調べるのには限界がありますし、専門的な判断が必要な場合もあるかもしれません。
そのような場合、土地の購入を検討している不動産会社や、家づくりをお願いしようとしている建築会社に相談してみましょう。
さらに詳しく地盤の状況を把握したい場合は、地盤調査会社に依頼することも可能です。
04ー調べた情報を家づくりにどう活かす?
土地の履歴や地盤調査の結果を知ることは、家づくりの計画に大きく役立ちます。
もし地盤が弱いことが分かれば、適切な地盤改良工事が必要になります。
どのような工法が必要か、どれくらいの費用がかかるのかを事前に把握できるため、資金計画を立てやすくなります。
また、地盤状況に合わせて建物の基礎の設計や構造をより頑丈にするなどの対策も検討できます。
このように、調べた情報は、その土地に本当に安心して暮らせる家を建てられるのかどうか、そしてどんな対策が必要なのかを判断するための重要な材料となるのです。
05ーまとめ

家づくりは一生に一度の大きなプロジェクトです。
ハザードマップで災害リスクを確認することに加え、今回ご紹介した「土地の履歴」に目を向けることは、見落としがちな、しかし非常に重要なことと言えます。
過去を知ることで、その土地の隠れたリスクやポテンシャルが見えてきます。
そして、もし懸念される点があったとしても、適切な対策を講じることで、安心して長く暮らせる家を建てることが可能です。
ご自身だけで全てを判断するのは難しいと感じるかもしれません。
そんな時は、信頼できる不動産会社や経験豊富な建築会社にぜひ相談してみてください。
プロの目を通して土地を見てもらうことで、より確実な情報を得られます。
ミタス・カンパニーでは、お客さまの家づくりに関するお悩みのご相談など小さな事でも、ご質問受付・対応を随時しておりますので、いつでもお気軽にご連絡ください!