建築基準法違反となってしまう「無窓居室」とは?換気と採光の重要性
- 2024/04/22
「無窓居室」という言葉を聞いたことはあるでしょうか。
無窓という言葉から、窓がない部屋のこと?と思われるかもしれません。
しかし、建築基準法で定められた基準を下回っている場合、窓があっても「無窓居室」とみなされることがあります。
建築基準法では、人が長い時間過ごすと想定される部屋を「居室」としています。
なぜ窓に関する規制があるかというと、人が過ごす空間には「換気」と「採光」が必要だからです。
今回は、換気と採光の必要性とその法規制の内容についてご紹介します。
「自然換気」の必要性と法規制
居室に窓を設けるのは、1つには「自然換気」を行うためです。
換気の悪い部屋に長時間いると、一酸化炭素・炭酸ガスなどの有害物質や室内の熱、湿気等によって、頭痛や不快感など健康被害が出ることがあります。
換気には自然換気と機械換気の2種類があり、自然換気とは機械を使わずに風の流れや温度差など自然の力を利用して行う換気を言います。
反対に、機械換気は機械をつかって強制的に換気させるものです。
建築基準法では、自然換気について「居室には床面積の1/20以上の有効な開口を設けること」と規定されています。
これは機械換気が義務化された今でも有効です。
ここでいう「有効な開口」とは、窓や扉など直接外に開放できる部分で、引き違い窓だと窓全体の大きさの1/2の面積を、90度に開放できる窓であればその開放部分全てを面積として算入することが可能です。
「自然採光」の必要性と法規制
居室に窓を設けるもうひとつの理由が、「自然採光」のためです。
採光を行うのは、室内を明るくして活動しやすくし、能率的で衛生的な生活を営むためです。
また日中の照明コストの削減や、人間の体内時計や生活リズムへの影響、紫外線によるカビや細菌の発生を抑制するといった効果もあります。
建築基準法では、自然採光について「採光に有効な部分の面積は、その居室の床面積の7分の1以上」と定めています。
ただし、2023年4月からの法改正によって、自然採光だけでなく照明による照度などを確保することで、有効採光面積の割合を1/10でクリアできるようになりました。
まとめ
建築基準法において定められている基準をクリアしていないと、建築確認申請が通らず、建物を建築することができません。
住む人が「この部屋には窓はいらない」と思っても、基準を満たしていない家は建てることができないのです。
このような法規制について、全てを知るのは難しいかもしれません。
そのため、詳しい建築のプロに相談しながら設計していくのがおすすめです。
安全で快適に暮らせる家づくりがしたいと思われたら、ぜひ住宅の専門家に相談してみてくださいね。
ミタス・カンパニーでは、お客さまの家づくりに関するお悩みのご相談など小さな事でも、ご質問受付・対応を随時しておりますので、いつでもお気軽にご連絡ください!