地震に強く、すっきりしたデザインのスレート屋根。メリット・デメリットは?
- 2023/07/04
近年、昔ながらの和瓦の屋根の家は減ってきました。
それに変わり、最近では「スレート屋根」を採用した家が増えています。
この記事では、スレート屋根について、メリットやデメリットも交えてご紹介します。
スレート屋根とは
スレート屋根の「スレート」とは粘板岩のことです。
粘板岩は、高温・高圧の環境下で生成される岩で、薄く剥がれるように割れる「へき開性」という性質を持っています。
スレート瓦とは本来、この粘板岩を薄く板状に加工したものを指しますが、天然スレートはとても貴重で高価です。
加工や運搬、施工にも熟練の技術が必要で、あまり普及はしていません。
そのため、現在ではセメントと繊維を混ぜて作られた化粧スレートが主流となっています。
スレート屋根のメリット
軽量で地震に強い
スレート屋根の一番のメリットは、軽量であることです。
和瓦は非常に重く、スレート屋根の2.6倍ほどの重量があります。
屋根が重たいほど地震の揺れで崩れてしまう危険性は高くなるため、軽量なスレート屋根は瓦屋根に比べて耐震性が高いのがメリットです。
デザイン性が高い
和瓦にはない、デザイン性の高さもスレート屋根の魅力のひとつです。
スレート屋根はすっきりとしたデザインが特徴で、様々な屋根の形に柔軟に合わせることが可能です。
また、カラーも豊富なので自分好みの色を選ぶことができますよ。
デザイン性は高いのに施工は簡単で、和瓦より費用も安い点もメリットです。
スレート屋根のデメリット
強度は低く、耐久性が低い
薄く軽量なスレート屋根は、和瓦に比べると強度の点では劣ります。
強風や地震などで割れやすい素材と言えるでしょう。
また、耐久性も和瓦ほど高くないところもデメリットです。
和瓦は50年以上持ちますが、スレート屋根は20~30年ごとに葺き替えの必要が出てきます。
定期的なメンテナンスが必要
スレート屋根の表面は塗装のため、経年劣化が起こります。
およそ10年たつと再塗装が必要になり、その後も定期的な塗装が必要です。
この塗装メンテナンスをきちんとしていないと、葺き替えまでの期間が短くなってしまうでしょう。
スレート屋根とアスベスト
スレート屋根はコンクリートと繊維を混ぜて作られますが、以前はこの繊維にアスベストが使われていました。
しかし、健康への被害が問題となり、現在ではアスベストを1%以上含む製品の出荷は禁止されています。
そのため、現在はアスベストを含んでいるスレートは使われていません。
ただし、2004年以前に建てられた住宅の屋根には、アスベストを含んだスレート屋根が使用されている可能性はあります。
もしアスベストを含むスレート屋根の家に住んでいるとしても、すぐに健康被害が出るということはありません。
しかし、屋根を解体したり葺き替えたりする際にはアスベストが飛散する恐れがあるため、注意が必要です。
まとめ
スレート屋根はデザイン性が高く、どんな形状の屋根にも合わせることが可能です。
家づくりの際には、ぜひスレート屋根も選択肢に入れてみてくださいね。
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