法律による義務もある?「床下換気」「床下防湿」の重要性とは | ミタス・カンパニー

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法律による義務もある?「床下換気」「床下防湿」の重要性とは

  • 2023/05/04

家を建てるときに床下の環境について気にされる方はあまりいないかもしれません。

しかし、床下の環境は家の耐久性だけでなく、住む人の健康にも大きく関わります。

床下の換気ができずに湿気がたまってしまうと、カビやシロアリが発生してしまう可能性があるのです。

この記事では、床下換気・床下防湿の重要性と、法律上の義務についてご紹介します。

 

床下換気と床下防湿の重要性とは

骨組みの腐食を防ぐ

家の大事な骨組みを守るためにも、床下換気と床下防湿はとても重要です。

木造住宅では、コンクリートの基礎の上に床を支えるための床組みを施工します。

床組みは、土台や大引、根太といった木材の部材で構成されます。

その木材の床組みとコンクリートの基礎の間にできる空間を床下といいます。

つまり床下は、基礎と床組の間の閉じ込められた空間です。

床下には基礎を通して地面からの湿気が上がってきてしまいますが、換気と防湿対策がされていなければ、湿気の逃げ場がなくなるのです。

湿気をそのままにしておくと、床組みの木材が腐食してしまったり、カビが発生する原因になってしまいます。

そうなると、家の耐久性が下がるだけでなく、発生したカビによって住む人の健康にまで影響を及ぼしかねません。

見えない部分ではありますが、このように床下の環境というのは非常に大切なものなのです。

 

シロアリ被害を防ぐ

シロアリは、温度と湿気、そして栄養分の条件が揃った場所に現れます。

地面から床下に上がってくる湿気をそのままにしておくことで、シロアリが好む環境が整ってしまうのです。

シロアリが発生すると、家の骨組みである木材がボロボロになってしまいます。

家の耐久性を著しく下げることになってしまうため、シロアリ対策としても床下の換気・湿気対策は重要なのです。

 

床下換気と床下防湿の法律上の義務

床下の環境については、建築基準法でも対策が義務付けられています。

建築基準法で定められているのは以下の2点です。

 

  • ・床の高さは、直下の地面からその床の上面まで45cm以上とすること。
  • ・外壁の床下部分には、壁の長さ5m以下ごとに、面積300㎠以上の換気孔を設け、これにねずみ侵入を防ぐ設備をすること。
  • 引用:建築基準法施行令 第22条(居室の床の高さ及び防湿方法)

 

つまり、基礎から床の高さを確保することと、床下に換気口を作ることが求められています。

ただし、次のような工法をする場合はこの限りではありません。

 

床下換気のための基礎パッキン工法

現在の住宅では、基礎パッキン工法で床下換気を行う方法が主流となっています。

基礎パッキンは、基礎と床組みの間に施工する換気部材です。

基礎のコンクリート部分に換気のために穴を開けると、コンクリートが欠けたりコンクリートが劣化したりする原因になってしまいます。

そのため、換気口を設けるよりも基礎パッキン工法で換気を行うほうが、建物の耐久性が上がります。

以前は床下換気口を設けることが一般的でしたが、基礎パッキンのほうが換気性能も高く、基礎コンクリートの耐久性も増すことから、現在では基礎パッキン工法が主流となったのです。

 

床下防湿のためのコンクリート厚さと防湿シート

床下防湿については、品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律の略称)でも基準が定められています。

品確法では次の2つのいずれかによって防湿対策をすることが義務付けられています。

 

  • ・防湿フィルムを床下全面に敷き込む
  • ・厚み60mmのコンクリートを床下全面に設ける

 

現在主流になっている基礎はベタ基礎という工法で、これは地面一面に鉄筋コンクリートを施工する基礎工法です。

一般的に、ベタ基礎の鉄筋コンクリートは、厚み120〜150mm。

そのため、ベタ基礎であれば「厚み60mmのコンクリートを床下全面に設ける」という品確法の基準をクリアしていることになります。

地面一面にコンクリートを施工しない布基礎の場合は、防湿フィルムを敷き込むなどの防湿対策が必要となります。

 

まとめ

見えない部分ではありますが、非常に重要なポイントである床下の環境。

家の耐久性のためにも、住む人の健康のためにも、きちんと換気・防湿対策がされていることが必須です。

ですが、床下の環境が大事ということは知らなかった人も多いかもしれません。

家を建てる際は、床下や基礎などの見えない部分の施工もしっかり行い、きちんと説明してくれる会社を選ぶと安心です。

基礎にや床下について、わからないことや不安なことがあればぜひ住宅の専門家に相談してみてくださいね。

 

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