持分割合によっては贈与税がかかる?住宅の共有名義の注意点
- 2023/03/01
住宅を建てた際に必要となる手続きのひとつが「登記」です。
登記する際には、住宅の名義が誰のものかを明記する必要があります。
この名義を「単独名義」にするか「共有名義」にするかは、登記をする段階ではなく資金計画の段階で話し合っておく必要があります。
そうでないと、思わぬ税金を払わなければならなくなるかもしれません。
今回は、住宅の持分割合と贈与税の関係についてご紹介します。
住宅の名義の基本は「誰が購入資金を出すか」
不動産の名義は、基本的には購入資金を出した人が名義人になります。
そのため、例えば夫婦で家を買うとき、夫が購入資金を全額負担する場合は夫の「単独名義」となります。
もしも夫と妻でそれぞれ購入資金を負担する場合には、夫と妻の「共有名義」となります。
共有名義の場合の「持分割合」とは
不動産の名義を「共有名義」とする場合には、その「持分割合」を決める必要があります。
持分割合とは、それぞれがその不動産について持っている所有権の割合のこと。
持分割合は、それぞれが半分所有するならば1:1、例えば夫側の所有権の割合の方が多ければ2:1などとなります。
この持分割合は好きに決めていいの?と思われるかもしれませんがそうではありません。
持分割合は通常、その不動産を取得するのに負担した金額の割合がそのまま持分割合となります。
この資金負担額は、自己資金だけでなく住宅ローンの資金金額も含まれます。
例えば、2,000万円の住宅を購入した際、夫婦で1,000万円ずつ資金負担した場合、持分割合は1:1になります。
もしも夫が1,500万円、妻が500万円の資金を負担した場合、持分割合は3:1となります。
この場合のように資金負担額は違っても持分割合を1:1とすることも可能ですが、その際には「贈与税」がかかることがあるため注意が必要となります。
持分割合を変える場合の「贈与税」
先ほどの例で、2,000万円の住宅を購入するのに夫が1,500万円、妻が500万円の資金を負担した場合。
資金負担の割合は3:1ですが、共有名義の持分割合は1:1として登記することも可能です。
ただし、持分割合を1:1とする場合、本来であれば負担金額の割合はお互い1,000万円ずつのはずです。
妻は500万円の負担で1,000万円の不動産を取得したということになります。
そのため、夫が負担した1,500万円のうち500万円分が妻に贈与したとみなされ、その金額に対し贈与税を課される場合があります。
贈与税には110万円の基礎控除などがありますが、それなりに大きな税金が課されるため、持分割合を決める際には注意が必要です。
まとめ
夫婦で住宅を購入するなら、2人の共有名義にしたいと思われるかもしれません。
しかし、共同名義にする際は注意が必要です。
きちんと負担した資金の割合通りに持分割合を決めないと、予期せぬ税金を払うことになるかもしれません。
住宅は大きな買い物ですので、しっかりと資金計画を行い、税金面の知識も身に着けておくことが大切です。
家づくりに関する資金計画や税金についてわからないことがあれば、ぜひ一度住宅の専門家に相談してみてくださいね。
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