いずれ来る老後のために新築住宅にできる工夫とは?
- 2021/10/04
家は一生に一度の大きな買い物だという方は多いでしょう。
30代で家を買った場合、70代、80代まで何十年もその家に住みます。
長い年月が経過するとライフスタイルにもさまざまな変化が起きてくることも。
いずれ来る老後のために、新築するときに備えておくことはできるのでしょうか?
今回の記事では、のちの介護リフォームために、新築にできる工夫を紹介していきましょう。
老後を見据えた新築住宅の必要性
体の変化に柔軟に対処できるよう、後から変更が大変になる部分だけを施工しましょう。
将来設備が必要になった時にスムーズに取り入れられるようにしておくことがポイントです。
今すぐは使わないのに、新築時から介護に必要なものをすべて導入しておく必要はありません。
体が不自由になってくると、住環境と生活のしやすさというのはより密接に関わってきます。
健康な高齢者でも、若い頃にはなかった体力の低下、記憶力の低下などが起き、若い頃に建てたままの家だと不便が生じてくるもの。
また、パーキンソン病や脊髄小脳変性症などのような進行性疾患の場合も、発症年齢に関わらず体の変化に家の造りが対応できず、日常生活に不便を感じるようになってしまいます。
健康な時には気にしなかった段差につまずくようになった、気にならなかった廊下の幅に車椅子で入れないということも起こるでしょう。
住環境を整えておくと、一人で出来る、または少ない介助で出来る事が増え、本人も家族も、より楽に生活できます。
家を建てるときに、最初から設備を導入しておけば、何回もリフォームすることもなく安心して住めるようになりますよ。
老後のためにできる新築時の工夫
現在の新築住宅は、バリアフリーであることは当たり前になっています。また、照明スイッチもユニバーサルデザインの幅が広いものが採用されているでしょう。
ここからは、その他の新築するときにできる工夫を具体的に紹介していきます。
廊下の幅を広くしておく
新築のときから、廊下の幅を広く作っておくと良いでしょう。
後から廊下の幅を変える工事は間取りを変更するのは大ががりな工事です。
通常の住宅では、廊下の幅は780mmほどですが、車椅子生活には1200mmが望ましい幅。新築時から幅を広めに取っておくことをおすすめします。
リビングの横に和室を作っておく
リビングの隣に、のちに個室に変更できる和室を作っておくと良いでしょう。
そして、リビングと和室の間は、間仕切りでつなげておくことをおすすめします。
寝たきりで自宅介護での生活になった時には、一階の部屋に介護ベッドを導入することも考えられられます。
介護する側も、移動の際にもリビングにつながっていると便利でしょう。
けれど着替えや排泄の介護時は来客の方に見られたくないですし、臭いも気になります。
間仕切りをサッと出せるようにすると、要介護者も同居家族も安心して過ごせます。
天井を補強しておく
将来リフトの利用の可能性がある場合には、あらかじめ天井や壁の補強を施工しておくと導入するときにスムーズです。
体の状態によってはトイレやお風呂への移動の際に釣り上げ式のリフトを使用する場合もあります。
リフト使用時には天井に大きな負荷がかかりますので、天井の強度が必要です。壁付けのリフトもあるため、天井か壁に施工しておくと良いでしょう。
老後のために備えておくときの注意点
ここまで具体的な施工を解説してきましたが、一方で、老後のための工夫をするには、注意しておきたいこともあります。
必要な手すりの位置は変わるかもしれない
いつか必要になると考え、廊下やトイレ、お風呂などの手すりは予め取り付けておく場合は注意が必要です。
疾患により効き手が変わる場合もありますし、介護される人の身長によって最適な手すりの高さが変わることも。
また、手すりの位置によっては、自立度を下げてしまうこともあるので注意が必要です。
要介護度の高い人向けの設備を利用すると、使える部分まで能力が衰えてしまう懸念も捨てきれません。
介護を受ける方の心理に配慮する
加齢や進行性疾患で将来、必要なことがわかっている場合は、介護を受ける方の気持ちに配慮が必要な場合もあります。
「備えあれば憂いなし」とはよく言いますが、病気などの場合は「備えられていることの苦しみ」を感じる方もいます。
あまり先のことはできるだけ想像したくないと思う人には、心理的な負担が大きいもの。
家族への伝え方に悩んだら、施工業者に相談してみると良いかもしれません。
まとめ
家は何十年も住まう場所、住んでいる間に住人の体の状態やライフスタイルは刻々と変化していきます。
いずれ来る老後のために、大掛かりなリフォームにならないために新築するときにできる工夫には、廊下の幅を広げる、リビングの隣に和室を作る、天井を補強するといったものがあります。
体や生活スタイルの変化に対応しやすくしておくことが、これからの家に求められることでしょう。
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