家の温度も音も逃がさない!「複層ガラス」で断熱性と防音性を高める
- 2020/12/14
家の防音性と断熱性の穴である「開口部」
住宅設計において重要な概念の1つに「開口部」があります。
開口部は家の外部との接点である、窓や玄関、換気口といった部位を指し、外部と接している性質上、家の遮音性、断熱性の弱点となる部分です。
断熱性が低いとエアコンの効きが悪くなり、遮音性が低いと家の外の音は聞こえ、中の音が漏れることになり、断熱性も遮音性も暮らしの質の面で重要な概念なのです。
以上のことから、開口部を工夫し、断熱性や遮音性を下げないことが重要だといえます。
今回は開口部の1つである「窓」における対策である「複層ガラス」のご紹介です。
複層ガラスとは?
複層ガラスとは1枚のガラスで間に空気を挟んだガラスのことを指します。
これに対して、1枚のガラスで構成されているが、間に空気層がないものをペアガラスと呼びます。
複層ガラスの一つ「Low-E複層ガラス」
Low-E複層ガラスとは、2枚のガラスの内、どちらか1枚の内側に、熱を通さないための金属コーティングを施したものです。
一般的な複層ガラスよりも断熱性能が高くなり、値段も高いとされます。
断熱性能を高めたガラスに、断熱性能の高い樹脂製のサッシなどを組み合わせることで、高い断熱性を得ることが可能です。
複層ガラスの防音性は?
開口部である窓には断熱性能と並んで、防音性も求められます。
防音性はガラスの種類や、窓の形の違いによる気密性によって異なります。
「単版ガラス」と「異厚複層ガラス」との比較
「単版ガラス」とは、文字通り1枚のガラスで構成されたいわゆる普通のガラスのこと。
防音性に関してですが、実は音が低音である場合には複層ガラスよりも防音性が優れているのです。
なぜかというと、2枚のガラスの間の空気層がばねのような役割を果たし、音を増幅させてしまう「共鳴透過現象」によって音が大きくなるからです。
ですが、音が高音になるにつれて共鳴透過現象の効果が薄れ、徐々に単版ガラスより、複層ガラスの遮音性が高まってきます。
しかし、特定の高さの音に達すると、ある周波数で音漏れが生じる「コイシデンス効果」が発生してしまうことで、遮音性が下がります。
そこで作られたのが異厚複層ガラス。
異なる厚さのガラスを組み合わせることで、共鳴透過現象の影響を軽減し、コイシデンス効果による遮音性の低下を抑えることができるガラスです。
さらに機能性を高めたトリプルガラス
2枚のガラスで構成される複層ガラスの機能をさらに高めたものに「トリプルガラス」があります。
トリプルガラスは、3枚のガラスで構成され、ガラスとガラスの間に真空の層を作ることで、熱伝導をほぼ0にしたものです。
複層ガラスよりもさらに高い断熱性が期待できますが、値段は高価です。
トリプルガラスを新居に採用する際には、新居に充てる費用や、他の設備による断熱性、家全体のグレードをよく確認してください。
注文住宅で開口部を補強
暮らしの質を考える上でとても重要な概念である開口部。
窓ガラスや玄関のドア、換気扇まで考えることができるのは注文住宅ならではの利点だといえるでしょう。
細部までこだわりたい!というあなたの希望をぜひ一度プロに相談してみてくださいね。
ミタス・カンパニーでは、お客さまの家づくりに関するお悩みのご相談など小さな事でも、ご質問受付・対応を随時しておりますので、いつでもお気軽にご連絡ください!