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家づくりコラム

リビングで人気の小上がりスペース|設計時に知っておきたいポイントとは

コラム
2025.12.04
リビングで人気の小上がりスペース|設計時に知っておきたいポイントとは

最近の注文住宅では、リビングの一角に「小上がりスペース」を設ける間取りが人気です。

小上がりスペースは、畳コーナーとしてくつろぎの場にしたり、下部を収納に活用したりと、空間を有効に使えるという魅力があります。

ただし、「何となくおしゃれだから」と取り入れると、意外と使いにくくなることも。

快適に使える小上がりにするには、設計の段階で「高さ」「サイズ」「配置」などをしっかり検討しておくことが大切です。

今回は、失敗しない小上がりづくりの基本を、設計のプロの視点から解説します。

01小上がりのメリットと注意点

小上がりは見た目のアクセントだけでなく、暮らしやすさにも大きく影響します。

ここでは、導入前に知っておくべきメリットと、気をつけたいポイントを整理しておきましょう。

 

小上がりのメリット

小上がりには、床の段差を活かしたさまざまな利点があります。

 

・空間に奥行きと変化を生む

リビングと高さを変えることで、同じ部屋の中に“もう一つの居場所”をつくることができます。

子どもの遊び場、読書や昼寝スペース、客間など、多目的に活用できるのも魅力です。

また、段差部分を収納として利用できるのも大きなメリット。

リビングまわりのこまごました物をしまえる引き出しや、布団収納として使える大容量タイプなど、機能性を高める工夫も可能です。

 

・ちょっと腰かける場所としても便利

ソファやダイニングチェア以外にも座る場所ができるため、家族や来客が集まるリビングではベンチ代わりにもなります。

日常のちょっとした休憩や、子どもと並んで本を読む時間など、暮らしの中に自然な“くつろぎの場”をつくってくれるのです。

 

注意したいポイント

小上がりを設けると段差による動線の制限が生じます。

掃除機やロボットクリーナーが登れない、ベビーカーや車椅子では使いづらいなど、生活スタイルによっては不便に感じることも。

また、高さの取り方を誤ると圧迫感が出るため、部屋全体のバランスを考えた設計が必要です。

 

02小あがりの「高さ」と「サイズ」をどう決める?

小上がりの使い勝手は、「高さ」と「サイズ」の取り方で大きく変わります。

家族構成や使い道に合わせてどの寸法が適しているのか、基本の目安を確認しておきましょう。

 

高さの基本は「20〜40cm」

小上がりは、用途によって最適な高さが変わります。

家族構成や使い方に合わせて、「腰掛ける」「寝転ぶ」「収納する」などの目的を整理し、高さを決めると失敗しません。

 

・約20cm前後:段差が少なく上り下りがしやすい。小さなお子様や高齢者がいる家庭におすすめ。

・約30cm前後:腰掛けやすく、下部に浅めの引き出し収納を設けられる、人気の高さ。

・約40cm前後:床下にしっかり収納を確保できるが、上り下りに注意が必要。

 

サイズと配置の目安

小上がりの広さは、畳2〜3枚(約2〜3畳)程度が使いやすいとされています。

狭すぎると寝転がれず、広すぎるとリビングの開放感を損ねてしまうため、リビング全体とのバランスが大切です。

また、リビングの角にL字で配置すると空間がまとまりやすく、中心に設けるよりも動線がスムーズになります。

日当たりや照明計画も考慮しながら、居心地の良い位置を選びましょう。

03小上がりの印象は仕上げ素材で変わる!

小上がりは、素材選びによって雰囲気も使い勝手も大きく変わります。

畳仕上げは和の落ち着きを感じられ、リラックススペースやお昼寝コーナーにぴったり。

最近は、カビにくく色あせしにくい和紙畳や樹脂畳など、メンテナンス性の高い素材も増えています。

 

一方で、フローリング仕上げはリビングとの統一感を出しやすく、モダンな印象に。

カーペットやラグを敷けば、季節に応じて雰囲気を変えることも可能です。

04小上がり下を有効活用!収納計画のポイント

小上がり下を収納として活用する場合は、使いやすさを重視しましょう。

引き出し式は日常的に使うものの収納に最適で、掃除道具や子どものおもちゃなどを整理するのに便利です。

一方で、布団や季節家電などの大きな荷物を収納したい場合は、床下扉タイプを検討するとよいでしょう。

 

注意点として、収納を多く設けすぎると構造が複雑になり、コストアップすることもあります。

「何をしまうか」を具体的にイメージして、必要な容量を見極めておくことが大切です。

05後悔しないための小上がり設計のコツ

理想的な小上がりにするには、デザイン性だけでなく生活動線と居心地のバランスを取るのが重要です。

家族が集まるリビング内に自然に溶け込むよう、段差の位置や照明、コンセントの配置まで含めて計画しましょう。

 

また、将来的にライフスタイルが変わったときにも柔軟に使えるよう、「畳を外してフローリングに変える」「収納を追加できる構造にする」など、可変性のある設計もおすすめです。

06まとめ

まとめ

小上がりは、リビングの印象を高めるだけでなく、収納やくつろぎの空間としても魅力的なスペースです。

さらに、日常生活の中では“腰掛け”としても使える実用性があり、暮らしの快適さを高めてくれます。

ただし、設計段階で高さや配置を誤ると、使いにくく感じることも。

「どんな目的で使いたいか」を明確にし、家族の暮らしに合った設計を行うことで、見た目も機能も満足できるリビングが完成します。

小上がりスペースのあるリビングを作りたいと思われたらぜひ、注文住宅のプロにご相談くださいね。

 

ミタス・カンパニーでは、お客さまの家づくりに関するお悩みのご相談など小さな事でも、ご質問受付・対応を随時しておりますので、いつでもお気軽にご連絡ください!

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